瀧丸の手記

晴れときどきふわふわ

小説版G-SAVIOUR 私的感想

Gセイバー・・・ガンダムに詳しい人なら知ってるであろうそんなマイナー作品。

ガンダム20周年作品として作られた日米合作の実写映像作品だったのですが、評判はあまりよくなかったらしく、ネットスラングとしての意味で黒歴史になってしまった作品です。

ガンダムビルドファイターズで主役機のGセイバーが登場し、プラモデルが再販されたことも話題になったのは記憶に新しいと思います。

僕自身、Gセイバーは「宇宙世紀作品と世界観を共有してるガンダムじゃない何か」くらいの認識で距離を置いてました。

そんなある日、小説版Gセイバーを読む機会があり、「まぁ興味が無いと言えば嘘になるし読んでみよう」と思い、ここ数日で上下巻を読み終えました。

 

僕はドラマ版を見たこと無いのですが、どうやらドラマ版をノベライズしている物らしく、Wikipediaでドラマ版のあらすじを読んだ感じおおまかな流れは同じようです

映像作品にはない小説の強みとして人物の心情描写が細かく丁寧に書かれていて、その登場人物たちが思ってることすべてを書いているようなそれくらいの情報量でした。

Gセイバー自体他のガンダム作品と共有できな時代故か、宇宙世紀(裏表紙は宇宙暦表記)200年代の勢力や時代背景などもわかりやすく書かれてました。

スペースコロニーからセツルメントに名称が改められたって設定もコロニー群が独立した設定を考えても説得力があって好きです。

また政治色の濃い内容で、元軍人である主人公が軍の陰謀に巻き込まれていく…という話の筋はガンダムにしては珍しく、映画のような流れのような気がする。

元軍人の主人公、主人公の恋人、主人公が巻き込まれる原因を作ったヒロイン、主人公をよく思わないライバル、野心家の黒幕…というキャラクターの配置もなんだか映画っぽい。

 

展開は冒険活劇のように場面が転々として面白いのですが、主人公のマークとヒロインのシンシアに焦点を絞ってるせいか、ガンダム作品の華とも言えるMS同士の戦闘シーンが下巻の終盤しかないです。

これはドラマ版も同様のようで、こればかりはドラマ版の制作事情なども考えて致し方無いのかも…

ただ、序盤で海に墜落したMSを作業用MSで救助するシーンはある意味でMSらしい所があって好きだったり。

Gセイバーの初陣が進路上のデブリ掃除だったり、民間のMSとしての活躍が描かれてるような気がします。

 

日陰者のGセイバーですが、小説は丁寧でよく出来ている印象でした。

小説読んだらGセイバーのプラモ欲しくなったけど、またプレ値になってるんっすね…

ビルドファイターズの時に再販されたけど、興味なかったからスルーしたのを後悔しそうだ…